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貸付審査と事後指導

最終更新:2008年01月11日

平成10年に東京都某区役所の「緊急特別貸付」の審査業務に携わりました。


経営の厳しい中小企業へ区が「無担保・無保証」1.5%の利率で直接貸付を実施。
私は、50社以上の企業を審査しました。


中小企業診断士として独立した年に、製造業、建設業、運送業など、
さまざまな業種の現場におじゃまし、経営者から現状、今後の見通しなど、
お話を伺いました。


ヒアリング調査、財務分析、キャッシュフロー計算書の作成など、
報告書作成に時間もかかりました。
中小企業の現場を知る良い経験をさせていただきました。


その後、毎年、返済の滞った企業約10社へ、
「事後指導」に伺うことになりました。
これは、現在でも継続しています。


私がお会いした経営者には、「無担保・無保証」だからといって逃げる方は一人もおらず、
「必ず返済したい」という方ばかりでした。
1年に1回、訪問し、その後の様子をうかがい、助言・支援を行っています。


10年近く実施しておりますと、まるで「遠い親戚」のように親しみを覚えることもありました。
「来年も先生が来てくれるんじゃ、少しは良い報告ができるように頑張るから」
「先生が来てくれたから、必ず返済するからね」とおっしゃってくださる方もいました。


どうにか頑張っている経営者には、
「とにかく健康に留意して、少しずつ前進していってください」と励ますこともありました。
何年も返済が滞っていると「この企業は、もう無理かもしれない」と思うこともありました。


今年は、3月、4月で訪問したのですが、「2店舗めを出店したい」という相談や
「売上が1割以上伸びました」、「今年から息子が入社しました」などなど、
嬉しい報告がいくつもありました。


数年、返済が滞っていた経営者から「返済ができるようになりました」と
うっすら涙を浮かべた報告もありました。
「借りたお金は、返さなくっちゃね!」と
照れくさそうに笑った経営者の顔が印象に残りました。


本当にこの仕事に携われてよかったなと思いました。
何度も、胸がジーンとくる経験をしました。


これからも、やっと返済が再開した企業がどのように荒波を乗り越えていくのか、
見守っていきたいと思っています。



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